ブルネイで働くってどうなの?日本人女性に現地暮らしの本音を聞いた!

ブルネイで働くってどうなの?日本人女性に現地暮らしの本音を聞いた!

ブルネイはマレーシアに囲まれた国で、昔世界でもっとも経済的に恵まれた国と言われていました。

シンガポールのようにとても小さい国ですが、シンガポールのように近代的ではなく自然に囲まれた国です。

お酒がNGの国なので、日本人観光客も少ないと言われている中、現在ブルネイで働きブルネイの魅力を発信している女性にインタビューさせて頂きました。

  • 世界旅でブルネイに行ってみたい
  • 海外で働いてみたい!
  • ブルネイの生活事情はどうなんだろう?

今はインターネットで現地に行く前に情報収集ができる時代。実際にブルネイで暮らしている女性に本音を教えて頂きました。

ブルネイに興味ある方は必読ですよ!

プロフィール

ニックネーム:Kenanga

出身:岐阜県(留学・海外経験ほぼゼロでした)

海外転職先:ブルネイ・ダルサラーム国(ブルネイ)

職業:現地企業勤務(業種:内装・インテリア業 職種:輸入調達・サプライチェーン)

経歴:日本の4年制大学を卒業後、2012年より食品系の専門商社の営業事務として勤務。
その後縁あって在ブルネイ日本国大使館での勤務を開始。外交官の秘書・通訳業務、総務・会計部門の補佐を3年間担当。ブルネイでの生活が気に入り、契約満了後はローカル企業に転職。

ブルネイで働くきっかけ何ですか?

ブルネイThe Empire Hotel

幼少期から英会話、大学時代にマレー語を勉強したこともあり、英語圏、東南アジア、特にマレー語圏(マレーシア、シンガポール、インドネシア)への就職に興味がありました。

しかしながら、留学や海外経験はほとんどなく、最長でも1ヶ月マレーシアでホームステイした程度。いつか海外で生活してみたい、と夢見ていました。

新卒で入社した専門商社では海外から食肉の輸入調達とディストリビューションを担当していましたが、営業事務にとって海外出張や駐在はまずありえないだろうという環境でした。

東京のストレスフルな通勤生活のなかで、だんだんと海外転職の気持ちが高まり、海外転職セミナーなどに参加しているうちに、友人から海外の日本大使館で勤務するプログラムについて紹介されました。

「3年間の契約で、語学を活かした秘書・通訳業務」という内容に惹かれて応募、なんとか合格することができました。ブルネイはもともと第5希望にしていた程度で思い入れはなかったのですが、「せっかくの初海外勤務、この機会逃すまじ」、と思い切って赴任しました。

大使館でのお仕事は、日頃の通訳・秘書業務に加え、時には日ブルネイ両国の要人を対応することもあり、とても貴重で充実した経験になりました。

ブルネイのゆったりと落ち着いた生活が気に入り、大使館の契約満了に伴い現地での転職活動を始めたところ、今の会社に出会いました。

英語の履歴書、面接は実は初めてでしたが、商社での輸入関連業務の経験等をかっていただき、サプライチェーン担当として内装・インテリア製品(システムキッチン、バス・トイレ、照明等)の海外からの購買とロジスティック、在庫管理等のサプライチェーン全般のオペレーションを任されています。

そういう道もあるのですね!

海外就職・海外転職となると、転職エージェントにお願いをして職場を探してもらうイメージしかありませんでした。

海外の日本大使館で働くという道もあるのですね!新しい情報ありがとうございます!

海外で働きたいという思いが、大使館経験とローカル企業での経験へ導いたわけですね。

ブルネイとはどういう国ですか?ブルネイの暮らしについて教えてください。

ブルネイで暮らす自然

よく言えば、ゆったりと落ち着いて自然豊かな国、ちょっと悪く言えば、平凡で小さな田舎町という感じでしょうか。

ブルネイはボルネオ島の北西部に位置する、人口40万人の小さなイスラム教の王国です。日本の友人からは、「ブルネイ?ボルネオ?それってアフリカのどこか?」と言われることも少なくありません。

一応ASEAN(東南アジア諸国連合)の一国で、石油・天然ガスなど豊富な資源によって、国民の医療や教育・福祉は無料という、なんとも恵まれた国です。

1984年の独立までイギリスの保護領だったこともあり、国語のマレー語を話せなくても、英語が話せれば生活できます。

敬虔なイスラム教徒が多く、金曜の集団礼拝や毎年のラマダンなどがありますが、中華系や外国人はそれぞれのライフスタイルで生活できています。

おしゃれカフェやスパ、ヨガ教室などはどんどん増えてきていますが、ショッピングなどの娯楽は限られており(お酒の販売が禁止のため、ナイトライフは皆無)、楽しみが見つかるまでは退屈する駐在員の方も多いようです。

さらに電車や便利な公共交通機関がなく、マイカーがなければ移動な困難な車社会です。車さえあれば、休みの日は車でマレーシアのサラワク州(ミリまで車で1〜2時間)やサバ州(コタキナバルまで5〜6時間)へショッピングや小旅行に行ったり、国内のビーチやジャングルまで足を伸ばすこともできます。

石油・ガス関係の企業や教育機関などでは欧米からの駐在員、飲食・サービス業では東南アジア・南アジアの出稼ぎ労働者が多く、小さな国ながらいろいろな国の方に出会います。2−3校あるインターナショナル・スクールを見てみると、本当にさまざまな国の子供たちがいますね。

多くのブルネイ人が日本に対して好感を持っており、暖かく接してもらえてありがたいです。ローカルのお友達ができると、一気に行動範囲が広がりますね。ちなみに在住日本人は200人弱なので、日本人会などで交流することができます。

なるほど。

海外で暮らすと言っても、ヨーロッパやアメリカのように語学力が高くなければ難しい国もあれば、今だアジア人ということで国に馴染めない所もありますが、ブルネイは日本人に好感を持っているのであれば暮らしやすいのではと想像ができました。

ブルネイを中心に近隣国にも行きやすいのが良いですね!

ブルネイで働く環境とは?ブルネイ現地採用の給料面などリアルな日常を教えてください。

ブルネイ生活

ブルネイの現地採用といってもピンとこない方がほとんどかと思います。国民の7割近くが公務員という特殊な国で、民間企業で働いているのはブルネイ人のほかに、マレーシア人、フィリピン人、インドネシア人が多いです。

日本人の方は主に日系企業の駐在員の方で、日本人が現地採用というのはかなりレアケースかもしれません。

週休2日で労働時間も短い公務員とは違い、民間は週5.5日または週6日のところもあり、なかなかハードだったりします(ただ、超過勤務はそんなに多くありません)。

私のポジションは輸入調達・サプライチェーン担当なので、アジア・欧州など海外のサプライヤーやフォワーダーとの英語メールでのやりとりが基本、客先や店頭に出ることはなく、主にバックオフィスの仕事になります。

また日本人がほぼいないローカルの会社では、コミュニケーションはほぼ全て英語で、最初はスピード感についていくのに苦労しました。

同僚たちはみんな対等に接してくれるので、時には議論になることもあります。ただ、ブルネイ人は温厚な性格で、議論の際にあまりハッキリ言いすぎると角が立ってしまうので、そこは日本の社会と同じく、空気を読むことも大切だと学びました。

英語だとついハッキリ断言してしまいがちなので、さじ加減が難しいなと感じます。

海外から買い付けた商品が届くと、今度は倉庫・配送担当や施工担当者とのやりとりになるのですが、現場系のスタッフは英語が苦手なこともあり、簡単なマレー語も用いながら的確に指示を出すのに試行錯誤しました。

常夏のお国柄、かなりのんびりしているので、遅刻や欠勤なども日常茶飯事。「何よりも家族が第一」という考えが強く、仕事へのコミットメントは低めです。何か問題があったときには、日本人の感覚で物申すのではなく、彼らのスタンスを受け入れつつ協調していかなければ、と日々努めています。

大使館時代にも日本人の外交官と現地スタッフの間に立ってアレンジする業務が多かったため、両者の働き方・考え方の違いを感じる機会がよくありました。

その国のやり方やスタッフに尊敬の念を持つことが現地採用としてうまくやっていく秘訣ではないでしょうか。
ブルネイはASEANでもシンガポールに次ぐ給与水準ですが、蓋を開けてみると公務員と民間ではかなりの差があるのが現実です。

さらに外国人の現地採用ともなれば、給与は日本の半分近く、例えるなら新卒初任給の手取り額、大学生がアルバイトをちょっと多めに入れた月くらいの額が、一般的なスタート額です。もちろん年齢や経験次第で日本と同じ水準までたどり着くことも可能ではあります。

ただ、出費の面で言えば、まず所得税や住民税などの税金が一切ないこと、物価が比較的安いこと(通貨はシンガポールと等価ですが、シンガポールよりも価格設定が低めです)、娯楽が少なく余計な出費がないことを考えると、額が少なくとも、生活できないことはないです!

永住権を得なければ、外国人は社会保障の対象外なので、日本にいるあいだに海外でもカバーされる医療・生命保険に加入したり、年金の任意納入を手続きしておくと安心です。

参考になりました!

海外と言っても本当に様々な国があります。

例えばアメリカで働くとなると、日本人とはいえハイパフォーマンスを求められますし実力社会ですが、ブルネイは仕事のコミットメントが低いというのが意外でした。お国柄なのですね。

出費が少ないというのはありがたい。

ブルネイで暮らしてよかった体験とは?

ブルネイ現地生活

私は岐阜の田舎出身なのですが、幼少期から東京に出たいという気持ちが強く、大学入学を機に上京しました。

東京で社会人をしているうちに息苦しさを感じるようになり、今度は思い切って海外に出たくなりました。ブルネイという珍しい選択に最初は戸惑いもありましたが、この程よい田舎感と南国のやさしさが、都会でモノや情報に溢れて疲弊していた自分を受け止めてくれたように思います。

お給料や待遇は違えど、自然に囲まれてシンプルに生活でき、心には余裕がある。ブルネイへの海外転職を機に、考え方が大きく変わりました。

また、現地で大事なパートナーと出逢うことができ、そのこともまた、ブルネイ生活の礎となっています。

一方で、日本から遠く離れて暮らしていると日本で生活していた頃よりも家族とのつながりが強くなったように思います。万が一のときすぐに駆けつけられないこともあるかもしれません。海外就職にはそれなりの覚悟、そして家族の理解と協力も大事ではないでしょうか。

なるほど、ブルネイが人生のターニングポイントのようですね!

東京に憧れて上京したお陰で本来の自然の豊かさを再認識されたように感じました。海外へ飛び込んだことで、人生のパートナーにも巡り会うなんて。

憧れます。

海外で働きたい・暮らしたい方へ

ブルネイで暮らす風景

海外で働きたい、という気持ちが少しでもあれば、ぜひ行動に移していただきたいと思います。まず海外転職セミナーに行ってみる、ネットで情報収集やエージェントのメルマガを登録してみる、英語や現地語を勉強してみる(私の場合は転職に必要な英語力ブラッシュ・アップのため、ビジネス英会話に通いました)、実際に海外就職している人に相談する、思い切って企業に履歴書を送ってみる・・・行動を起こして損はありません!

思いもよらない国や地域に、自分にピッタリの仕事や生活があるのかもしれません。ぜひ視野を広く、いろいろな選択肢を比較・検討してみてくださいね。

また、企業のみならず、政府や公の団体が実施している派遣制度やプログラムなども実は沢山あります。なかには民間での経験を求めるもの、逆に経験不問の募集もあるので、自分が対象となるものがあるか、調べてみるのもいいかもしれませんね。

ブルネイで働く日本人女性に聞く海外暮らしまとめ

Kenangaさん、今回はブルネイ現地の情報をありがとうございました!

実際に暮らしている方から生の情報を聞くと、ブルネイのイメージがしやすくなります。政府や公の団体で海外勤務募集がある情報はこちらかもご確認いただけます↓

今日も皆様のお仕事を応援しています。

取材協力

Kenangaさん

Tropical life in Brunei
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