海外へ就職する方法として海外の日系企業へ転職する方法や会社の異動願いを出すなど、海外で働く入口は様々あります。
その中でも、日本語教師資格を取得し国を問わず海外で働く方法も年々増えてきています。
今回は海外で日本語教師として働いた経験がある女性へ実際に海外で働く現状を教えて頂きました。
- 各国で違う日本語教師職の特徴
- 海外で日本語教師として働くには
- 給料面は?
これから日本語講師を目指す方、そして海外でティーチングを検討される方は是非参考にしてみてください。
プロフィール
Yさん(女性)
日本語教師養成講座終了後、サイパンで実習、フィリピンにて日本語講師として勤務。その後マレーシアやオーストラリアで経験を積み、現在も教育の仕事に携わる。
日本語教師になるきっかけとは?
オーストラリアのファームスクールでボランティアをしていた時、校長先生からある1人の男子生徒に日本語を教えてほしいと要望がありました。
当時、半年ほど教える機会がありました。日本人でありながら日本語を教えることの難しさを知り、帰国後、日本語教師養成講座学校に通うことを決意致しました。
講座を受けたり、サイパンでの実習を経験したりするうちに日本語教師として海外勤務をしてみたいと思うようになったのがきっかけです。
海外で日本語教師職を探す方法はありますか?
まず前提として、教えるには生徒が必要であり何事も需要がなければ成り立たないのと同じで、日本語を学びたい、日本語を使った仕事に就きたい、また仕事上日本語を習得しなければならないという生徒がいない国には日本語学校はありません。
やはりその状況にあるのはアジア圏が多いです。日系企業が多いところには需要が多くありますので、海外で日本語教師を目指すにはアジア圏が探しやすいです。
次に仕事の探し方です。
日本語教師養成講座学校が斡旋していた学校で情報が入ってきたり、人脈が増えるのでそこで就職のチャンスが広がります。
その他に実際に教えていた子供の親御さんからプライベートで教えて欲しいという希望もありました。
一般的ですが、日本語教師が利用しているサイトや求人を見て応募・紹介などもあります。海外の場合は直接会って面接ができないので、メールのやりとりで決定することもあります。
様々なチャンスがありますので、一つの方法に拘らずどんなチャンス見逃さないよう心掛けることをオススメします。
各国によって難しいまたは大変な経験はありますか?
まずはその国に自分自身が馴染めるかどうかが大事かと思います。
日本語教師がしたくても基盤である生活ができないと本末転倒です。食べ物が合わない、日本のように何でもある国ではないと生活できないという状況であれば長く続けるのは厳しいと思います。
初めてお仕事をいただいたのはフィリピンの学校で、フィリピンの方たちはとにかく明るくフレンドリーでした。
授業では笑いが絶えませんでしたが、かなり時間にルーズでした(笑)授業の時間は決まっているため、決められた日程内で教えたいレッスン内容を順序立て練り「さあ、レッスンスタート!」と教室に行くも生徒が遅れるため予定通りに進みません。
個人差はありますが、宿題をしてこなかったり覚えてこなかったりする生徒が多く、持ち前の明るさで言い訳をしたり次は必ず!と約束をしたりしていました。
日本のように時間を守るのは当たり前という文化ではない国で教えると、そういう所も配慮する必要があると思います。
本業であるティーチングの他、海外で日本語講師をする上で大変なのは生活面です。
日系企業での出張授業が多く、タクシー移動が当たり前でした。お客が日本人とわかれば高めにお金をチャージしたり、メーターを回さなかったり遠回りしたりと・・・
これはマレーシアでも同じ経験をしました。
両国共に渋滞が激しい国なので、生徒が授業に遅れる原因となりスムーズにいきません。交通状況がクラスに影響が出るというのは日本では考えられないことですが、海外で日本語講師をするとこういう経験もします。
日本語講師を日本と海外でする違いは何でしょうか。
日本に来て学ぶ生徒はやる気が違うようです。
わざわざ日本に来て生活しながら勉強をし、学校に通わないとビザに影響することもあり取り組む姿勢が違います。授業のレベルも高いです。
なるほど。
先ほど伺いました、お国柄クラスに遅れてくる又は宿題をしてこないという生徒とは違いがありますね!ビザに影響する以上取り組む姿勢が違うわけですね。教える側としても、気合いが入りそう。
海外で教える良さは、人とのつながりです。同じ日本人でも日本では出会わない人と海外で出会ったり、そこで繋がったご縁でまた人生の選択肢が増えたり。
教えるのが目的ですが、海外では生活基盤が大きく変わりますので、その国に慣れ好きになることが仕事を楽しめるかどうかのポイントになると思います。
日本語教師職の給料で海外生活は可能ですか?
一般的なお給料と比べると決して良いとは言えませんし、発展途上国勤務となるとさらに下がることもあります。
発展途上国では日本に比べると物価が安く生活で困ることはありませんが、お金を貯めて日本に持ち帰るほどの余裕はありませんでした。
フィリピンに比べてマレーシアは良いお給料だったので、マレーシアを中心に東南アジアを旅行することができましたよ。
現地での家賃や交通費などは会社負担なので、実質出費は食費というところですね。
家賃や交通費は会社負担なのですね!
一見、給料が日本より低くなることでネガティブなイメージも沸いてきましたが、物価が安い分出費が少ないので生活に困らないのですね。日本で働くより、異文化に触れながら仕事をする経験は人生においてプライスレスな気がします。
給料以上に良い経験を得られるのが海外で日本語教師をするメリットのようですね!
海外で日本語教師を目指す方へ
日本語教師をやってみたい!そう思った時点から日本語教師の道はスタートしています。
日本語教師養成講座を学校または通信で受け、資格を取得すればあとは「自分がどんな環境下で働きたいか」だと思います。
幅広いレベルを授業で教えたいのであれば国内または中国・台湾など感じを使う国へ、海外生活をしてみたいなら迷わず現地へ飛び込むと場数を踏み経験値が物凄く上がります。
海外では教える立場でありつつも、逆に教えられたり学ぶことが沢山あり、そして何より予想外な出会いが沢山あるのが魅力です。
これから日本語教師職を目指す方、同じ仲間として応援しています。
海外で日本語教師職を目指すまとめ
今回は実際に海外で日本語教師として働いたYさんにご協力いただきました。
日本で教えるメリット、海外で教えるメリットがわかり易かったです。大事なのは「自分がどういう経験をしたいのか」なのですね。
ティーチングに携わっているのであれば、日本語教師もいいかも?そう思った時から新しいキャリアがスタートしています。
本日も皆様のお仕事を応援しています。